冷却方式の選定で迷っていませんか?——チラーとクーリングタワーの違いを整理します
ホットプレス機の冷却において、「チラー」と「クーリングタワー」は代表的な2つの方式です。
どちらも熱交換器へ冷却水を供給する手段ですが、構造・コスト・設置性・メンテナンス性に大きな違いがあります。
私たちとしては、機能性や取り回しのしやすさから「チラー」を推奨する場面が多いのですが、
設備の規模や運用体制によっては、クーリングタワーの方が合理的な選択になることもあります。
本記事では、どちらかを一方的に優れているとするのではなく、
お客様ご自身が最適な判断をできるように、選定の基準や違いを分かりやすく整理しました。
どんな条件ならクーリングタワーが有利か
チラーの利便性が生きるのはどんな現場か
導入後に後悔しないための判断材料は?
ホットプレスの冷却効率とランニングコストに直結するこのテーマ、ぜひ導入計画の参考にしてください。
もくじ
こんな場合にクーリングタワーが選ばれる
複数のプレス機を共通の冷却ラインで運用したい
屋外に十分な設置スペースがあり、排熱や振動の影響を分散したい
電力コストを抑えつつ、安定した冷却水の供給を確保したい
既に工場内に冷却塔が設置されており、統合運用が可能
これらの条件に合致する場合、クーリングタワーはシンプルで省エネ性に優れた冷却設備として力を発揮します。
クーリングタワー代表製品比較表【リンク付き】
※1RT ≒ 3.5kW相当の冷却能力
チラーの詳細についてはこちら
チラーの構造・メリット・代表機種(オリオン・アピステなど)については、以下の記事で詳しく紹介しています:
チラーとクーリングタワーの違いを比較【導入判断用まとめ】
比較項目 | チラー | クーリングタワー |
---|---|---|
冷却方式 | 冷媒圧縮(強制冷却) | 水の蒸発熱(自然冷却) |
温度制御精度 | ◎ 高精度(±0.1〜0.5℃) | △ 外気温に依存 |
初期コスト | △ やや高い | ◎ 導入しやすい価格帯 |
ランニングコスト | △ 高(コンプレッサー電力) | ◎ 低(ファン・ポンプのみ) |
設置条件 | ◎ 屋内・屋外柔軟に対応 | △ 屋外設置が前提、スペース要 |
移設性 | ◎ 比較的容易 | △ 配管・架台が必要 |
メンテナンス性 | ◎ 密閉系で扱いやすい | △ 水質管理が不可欠 |
適した用途 | 高精度制御・1設備単位 | 多設備共用・省エネ重視 |
結局どちらを選ぶべきか?
判断基準 | 推奨 |
---|---|
設備単位で独立運用したい/今後の増設に柔軟性を持たせたい | ▶ チラー |
共通冷却で省スペース・省コストを優先したい | ▶ クーリングタワー |
±0.1℃単位での制御が必要 | ▶ チラー |
導入コストをできる限り抑えたい | ▶ クーリングタワー |
冷却方式でお悩みの際は、まずはお気軽にお問い合わせください。
どちらを選ぶにせよ、正しい冷却設計がなければ、どんな装置も性能を発揮できません。
設備と現場に最適な冷却ソリューションをご提案します。