【徹底特集】ホットプレスの品質を支える!高耐熱・高耐圧クッション材の選び方と最新国内製品一覧

はじめに|“目に見えない品質”を支える名脇役

ホットプレス成形において、成形品の仕上がりや歩留まりを左右する“見えない要因”の一つが、**クッション材(緩衝材)**の存在です。

圧力ムラ・熱ムラ・ワークの破損・金型傷など、現場で起きやすいこれらの課題は、適切なクッション材を導入することで大きく改善できます。

本記事では、200℃以上の高耐熱・3MPa以上の耐圧に対応した国内製クッション材にフォーカスし、主要メーカー製品を一覧でご紹介します。

ホットプレス工程におけるクッション材の主な効果は以下の通りです:

  • 圧力分散・ムラ抑制:熱板や金型の微小な凹凸を吸収し、加圧ムラを緩和

  • ワーク保護:傷や圧痕を防止し、歩留まり向上

  • 熱伝導の安定化:膨張差の吸収により、加熱ムラの低減

  • 熱板・金型の保護:異物や突起からのダメージを軽減

  • 工程コスト削減:再使用可能な高耐久タイプで紙クッションの使い捨て削減

クッション材の使用上の注意点

使用する際は以下に注意してください:

  • 圧力・温度の上限を確認

  • 加熱板の平面度と密着性の確認

  • 脱ガス・表面処理が必要な製品もあり

  • 使用回数と劣化状態(硬化・変色・厚み減少)を管理

  • 熱板にあらかじめクッション材を装着する場合、クッション材の上に3mm程度の保護板(ステンレスまたはアルミ)を取り付けることで、摩耗や汚れを防止できます。

  • さらに保護板にフッ素コーティングを施すことで、離型効果を高めることも可能です。

国内メーカー別|高耐熱・高耐圧クッション材の比較一覧

メーカー製品名(リンク付き)最大使用温度耐圧性能特長主な用途
三福工業MF-20S約230℃数MPa(実績)高耐熱スポンジ、繰返し使用可、低アウトガス電子部品圧着、FPC、CFRP成形など
三菱ケミカル珪樹™(けいじゅ)300℃数MPa(薄膜)極薄シリコーンフィルム、高密着、ACF対応LCD、フィルム圧着、電子成形
三ツ星ベルト熱プレスクッション材230℃3MPa以上積層ゴム+繊維構造、高耐久、真空対応プリント基板積層、電子部品プレス
ヤマウチトップボード YOM~400℃(5G)~15MPa高耐熱・高圧対応、搬送性◎、紙材代替高周波基板、CFRP、ICカード圧着
金陽社キンヨーボード250℃高圧プレス対応シリコーン+繊維の複合材、低汚染、離型性良好FPC、LCD、PCB、建材成形など
日本ポリマーTETLAS GS120LA200℃実績ありシリコーン+アラミド繊維積層、高剛性・低熱ムラ木質合板、基板、一般成形

選び方のポイント

  • 温度条件:連続使用温度が200℃を超える製品を選定

  • 加圧条件:耐圧3MPa以上か、繰返しの高圧環境で実績があるか

  • 形状・厚み:フィルム、スポンジ、複合シートなど用途に応じた最適設計を

ZeroPressからのご提案

ZeroPressでは、プレス機の熱板のフラットネス再生+適切なクッション材の導入提案により、成形不良の根本改善をサポートしています。

「どの材質が適しているかわからない」「再生か新品導入か判断したい」など、お困りの方はお気軽にお問い合わせください。

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