ホットプレス用油圧ユニット徹底比較|インバータ式・サーボ式・従来型の違いと選び方

ホットプレスに最適な油圧ユニットとは?

ホットプレス機を導入・更新する際、油圧ユニットの選定は性能やランニングコストを左右する重要なポイントです。とくに20MPa以上の高圧領域では、装置全体のエネルギー効率、制御精度、騒音や発熱対策まで含めてトータルで考える必要があります。

本記事では、100〜2000トン級のホットプレス機における代表的な油圧ユニット制御方式について、初心者にもわかりやすく整理し、選定のヒントを提供します。

ホットプレスで一般的に使用される油圧ユニットは、以下の3タイプに大別されます。

1. 【従来型】ピストンポンプ+切替制御(例:ダイキンVシリーズ)

  • 選べる制御方式

    • プレッシャコンペンセータ制御(定圧制御)

    • コンビネーション制御(自圧式)

    • コンビネーション制御(電磁操作弁式)

    • 2圧制御(高低圧切替)

    • パワーマッチ制御(負荷変動に応じた流量・圧力最適化)

  • 特徴

    • シンプルな油圧システム構成で、長年の実績

    • 高圧(〜35MPa)まで対応可能な堅牢設計

    • コストを抑えて構築でき、メンテナンス性が高い

  • 課題

    • 常にオイルが循環しており、無駄なエネルギー消費がある

    • 制御の自由度が低く、高精度成形には不向き

    • 騒音・発熱が大きく、冷却対策が必要

2. 【省エネ型】インバータ制御ユニット

  • 特徴

    • モータの回転数をインバータで制御し、必要な流量・圧力に応じて省エネ運転

    • 待機時にはモータを停止または低速回転させることで、消費電力と発熱を大幅にカット

  • メリット

    • シンプルな設計でも大幅な省エネ効果

    • 騒音・発熱の低減にも効果的

  • 課題

    • 圧力追従や位置制御の応答性はやや限定的

    • 厳密な速度制御や繊細な加圧プロファイルには不向き

■ 代表製品

  • ダイキン スーパーユニット

    • 最大使用圧力:21MPa

    • 高効率IPMモータ+専用インバータで省エネ性に優れる

    • PQ制御により圧力・流量を連動制御可能

    • 用途:中型〜大型プレス機、高速成形機

    • スーパーユニット 公式サイト

3. 【高性能型】油圧サーボ制御ユニット

  • 特徴

    • サーボモータの緻密な回転制御で、ポンプの流量・圧力を即座に制御

    • 油圧弁を使用せず、電動で高精度な圧力・位置制御が可能

  • メリット

    • 位置決め、速度制御、加圧プロファイル制御など、すべてが高精度

    • 応答性が非常に高く、成形品質の安定に直結

    • 消費電力は最大80%カット可能なケースも

  • 課題

    • 初期導入コストは高め

    • サーボ制御に対応した制御盤や知識が必要

■ 代表製品(20MPa以上対応)

  • 川崎 エコサーボ

    • 最大使用圧力:35MPa

    • サーボモータ駆動で高精度かつ高速応答

    • PQ制御+位置制御など高度な成形条件に対応

    • 用途:大型プレス、精密成形、鍛造など

    • エコサーボ 公式サイト

  • 不二越 パワーマイスター

    • 最大使用圧力:30MPa

    • ACサーボモータでポンプをダイレクト制御

    • μm単位の位置決めや繊細な加圧プロファイル対応

    • 用途:中型プレス、精密成形、電子部品プレスなど

    • パワーマイスター 公式サイト

  • TAIYO PQCS2(あつかんサーボ)

    • 最大使用圧力:約25MPa(機種により)

    • 小型軽量、省エネ性に優れたインテリジェント油圧源

    • 工場空調負荷を下げたい現場に適する

    • 用途:小型~中型の精密プレス、試験機など

    • あつかんサーボ 公式サイト

自社に最適な方式を選ぶためのチェックリスト

以下のチェック項目を確認することで、自社のホットプレス用途に最も適した油圧ユニットの制御方式が見えてきます。

チェックポイント推奨方式備考
高精度な加圧プロファイル制御をしたいインバータ制御 or サーボ制御位置・圧力を自由に制御したい場合
とにかく電気代を削減したいインバータ制御 or サーボ制御既存設備の省エネ化にも有効
シンプルで低コストに構成したい従来型(Vシリーズ)実績豊富、初期費用重視型に最適
騒音や発熱を抑えたいインバータ制御 or サーボ制御空調負荷や作業環境を重視する場合
プレス動作の速度や位置を細かく制御したいサーボ制御高機能・高応答性が求められる場合
装置全体を最新化したい(デジタル制御)インバータ制御 or サーボ制御IoT対応、統合制御も可能
制御の自由度は不要、頑丈で長寿命ならOK従来型長時間連続稼働、耐久性重視

精度不足を感じたら──ZeroPressモジュールという選択肢

近年、顧客の要求品質は年々高まっており、「既存のプレス機では精度が足りない」「加圧プロファイルをもっと柔軟に制御したい」といった声が多く聞かれるようになってきました。そこで注目したいのが、既存設備を活かしながら、高性能な油圧制御を実現するZeroPressのモジュール構成です。

🔧 ZeroPressの主力モジュール

  • Zero Servo(油圧サーボモジュール)

    • サーボモータを用いた高精度油圧ユニット

    • μm単位の位置・圧力制御で難成形材にも対応

    • リアルタイム制御、デジタル化に最適

  • Zero Heat / Zero Heat Cycle(加熱・冷却制御モジュール)

    • 熱媒体油による高精度温度制御

    • 上下別温度制御、急冷などの高機能対応

  • Zero Base(フレーム+シリンダーユニット)

    • シリンダーを含むフレーム本体の刷新にも対応

    • 一部部品のみ更新する再生型導入が可能

🔄 部分的な更新で大きな変化を

ZeroPressでは、老朽化した油圧ユニットだけをサーボ化したり、加熱ユニットを高精度化することで、既存設備をまるで“新型機”のように蘇らせることが可能です。導入コストを抑えつつ、

  • 成形品質のバラツキ解消

  • 消費電力・発熱の大幅削減

  • 設備の長寿命化

を実現します。

ZeroPressは、使い古された油圧ホットプレス機にもう一度、命を吹き込む再生・再構築専門のエンジニアリングチームです。

完全な入れ替えではなく、“使えるところは活かす”という視点で、コスト・納期・機能性すべてのバランスを追求。既存設備を最大限に活用した、次世代のものづくりを提案します。

ご相談はお気軽にどうぞ

「どの油圧ユニットを選べばよいか分からない」「自社の既存設備に組み込めるか不安」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
ZeroPressでは、導入前のご相談から既存設備の診断、再生プランのご提案まで、すべて無料で対応しております。

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