【保存版】プレス機オペレーター向け|シリンダー径から油圧と加圧力を求める計算手順

はじめに

「シリンダー径は分かっているけど、油圧はいくつ必要?」「トン数に換算するにはどうする?」
そんな疑問を持つプレス機オペレーターの方に向けて、
ワークサイズと必要な単位圧力から、油圧の加圧力と必要な油圧(MPa)を算出する方法を、
具体的な数値例を交えてやさしく解説します。

今回の設定条件

項目数値
シリンダー径Φ250mm
ワーク幅600mm
ワーク長さ1200mm
単位圧力10kgf/cm²

Step 1:まずはワーク面積を計算する

面積は「幅 × 長さ」で求めます。
ただし、単位圧力が kgf/cm² のため、面積の単位も cm² に合わせる必要があります。

600mm × 1200mm = 60cm × 120cm = 7,200cm²

Step 2:必要な加圧力(トン)を求める

ワークに必要な加圧力(kgf)

面積 × 単位圧力

7,200cm² × 10kgf/cm² =
72,000kgf=72t(トン)

Step 3:シリンダーの受圧面積を求める

シリンダーの面積は、次の円の面積の公式で求めます。

π × (半径)²
Φ250mmの半径は125mm(=12.5cm)

π × (12.5)² ≒ 3.14 × 156.25 ≒
490.9cm²

Step 4:必要な油圧(MPa)を求める

必要な油圧(MPa)は

加圧力(kgf) ÷ 受圧面積(cm²) ÷ 10
※「÷10」は、kgf/cm² → MPaへの換算です。

72,000kgf ÷ 490.9cm² ≒ 146.64kgf/cm²

146.64kgf/cm² ÷ 10 ≒
14.66MPa

補足:計算のチェックポイント

  • ワーク面積の単位をmm²ではなくcm²にすること

  • トン数への換算(1t = 1,000kgf)を忘れずに

  • MPaへの変換時はkgf/cm² ÷ 10

※厳密には1MPa = 10.1972kgf/cm²ですが、
現場レベルでの概算では「÷10」で十分実用的な精度が得られます。

既存機の再生や新設計でお悩みの方は、
ぜひご相談ください。

ZeroPressでは、お客様の現場課題に合わせた最適な油圧構成・モジュール選定をご提案します。

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